(個人的なメモの回)
今回は、先日の演奏のことで、ただただ自分自身の記憶にのこしておきたいことを つらつらと。
とても素敵な大好きな場所で演奏させていただけたことが心から嬉しく有難く感じていたことは 以前の記事にも書いたので割愛し、今回は Bunkamuraドゥマゴパリ テラスでの演奏に関連した、演奏の話をいただく前のことを のこしておこうと思います。
単に個人的な記憶メモですが、自分では大事にしたいと思っている記憶です。
(※この記事内の写真はすべて、つい先日 私が演奏させていただいたときのもの @Bunkamura)
2つの記憶
数年前、Bunkamura ドゥマゴパリ テラスでの演奏のお話が巡ってきたとき、驚きや嬉しさと同時に、不思議な感覚がありました。
記憶が朧げな部分もありますが、このとき次の2つのことが頭に思い浮かんだのを覚えています。
以前に見た、Bunkamura ドゥマゴパリ テラスでの アコーディオン演奏
こちらで演奏させていただく何年も前のこと。
どこかでアコーディオン(以下、アコ)の演奏があると聞いては、都合が合えばワクワクしながら片っ端から足を運んでいた頃、このテラスにも訪れました。
たしかテラスがフランスの色に飾られていたので、パリ祭のイベント時期だったのだと思います。
吹き抜けの1階フロアから 地下のテラスを覗くと、アコーディオンとヴァイオリンの演奏姿が見え、聴こえていた音楽はシエスタさんの生演奏で、
奏でられる音楽も演奏姿もBunkamuraテラスの空間に自然に溶け込み、ふわっと明るく和やか雰囲気に包まれていて、とっても素敵な空間でした。
そのときは ただ漠然と、“こんな素敵な場所で、この場も ここにいる人たちも こんなふうに心地よくなるアコ演奏ができたら良いなぁ” と感じた覚えがあります。
ただ 同時に、“自分がこういう場所で演奏できる機会はないだろうなぁ”とも ほぼ無意識に思っていました。これは諦めというのとも少し違くて…、そもそもここで演奏されている人は、音大出身だったり 既に演奏で活躍されている一方で、私は特に音楽の素養もなく 社会人になってからアコを始めていて、、状況も全く異なっていたからです。
でも、ここのテラスの雰囲気と、そこでの演奏姿が私はとても好きで、どこかずっと頭の片隅にありました。
海外旅行先で偶然見たアコーディオン演奏
こちらも 何年も前の話。海外旅行先の とある街の大通りでのこと。
そこは街の中心で 大型デパートやレストランなどが並び、現地の買いもの客や ときどき観光客も行き交うような、日常生活で多くの人が利用する ふつうの大通りでしたが、歩いていると たびたび楽器を演奏する人を見掛けました。それぞれしっかりとしたソロ演奏で、ヴァイオリンやピアノ(突然どこからか小さめのグランドピアノを運んでくるんです!)、そしてアコーディオン。
音楽にとても親しみのある国・街であるからか、生演奏が突然始まっても特別な雰囲気になるわけでもなく、ふつうに通り過ぎる人もいれば、聴きたくなれば足をとめて耳を傾ける人もいるという様子。奏者も聴き手も自然で、その風景や人々に馴染んでいました。
別の国の 同じような場所での演奏では ちょっと物乞いのようにも見える場合もありましたが、ここの演奏者はどの楽器でもそのような雰囲気はなく、ただただ音楽が好きで弾いているという雰囲気でした。
もしかすると、東京でいうところの ヘブンアーティストのようなものだったのかもしれませんが、大道芸の要素は全くなく、シンプルに音楽演奏に特化していました。
日本では、何かのイベントでない限り こうした演奏はないですし、あったとしてもどこか特別感が出てしまうと思います。ですが、ここでは ごく自然と生活の中にこのような演奏がある様子で、私はすごく好きでした。
そのなかで 私の心に残っているのは、アコ弾きの おじいさん。
形式上、投げ銭箱ようなものは一応置いていましたが、投げ銭が目的でないことは誰が見ても明らか。きっと ここでこうして演奏するのが好きなのだろうなぁという様子で、道行く人を眺めながら 優しくニコニコと のんびり楽しそうに弾いていました。
私が見たときは、そのおじいさんは「ラ・クンパルシータ」と「Over the Rainbow(虹の彼方に)」を弾いていて、現地の人も ふと足をとめてしまうような、とても温かい雰囲気で…。
当時、私が持っていた携帯で撮ったほんの僅かな動画は、今でもときどき見返しています。
こうした光景が自然に存在する国・街が羨ましく、日本でもこういう場所があったらいいのになぁと強く感じたのを覚えています。
これらの数年後に巡ってきたBunkamura ドゥマゴパリ テラス演奏
これらから何年か経った数年前、思わぬルートで テラス演奏の話が巡ってきました。上記2つの記憶を思い出し、私としては かなりの嬉しさや驚きと同時に、なんというか、不思議な感覚でした。
海外旅行先で出会ったアコ弾きおじいさんが演奏していたような場所や雰囲気は 日本では思い当たらないものの、Bunkamura ドゥマゴパリのテラスは、シエスタさんの演奏を聴いたときの記憶とも重なり、お客さまも含めたその場の雰囲気全体がそれに近く、このような場所で演奏できることがすごく嬉しかったのです。
まさに「あの頃の自分に このことを伝えたら、びっくりするだろうなぁ!」と感じましたし、また、漠然と心にあったことが実現しそうになったことが感慨深く、驚きと嬉しさが込み上げてきました。
そして、ここで演奏する機会をいただけたことへの感謝や嬉しさとともに、そのころの自分に恥じない演奏をしないと、と 身が引き締まる思いをしたのを覚えています。
ひとこと
以上、完全に個人的な記憶メモでした。
ただ、ここで演奏する何年も前にBunkamura ドゥマゴパリ テラスでの演奏を見て感じていたことや、海外旅行先で見たアコ弾きおじいさんのこと、そして、この場所での演奏話が巡ってきたときのこと、これらのときに感じたことは、個人的に大事な、覚えておきたい記憶や感覚だったので、ここにメモしておくことにしました。
Bunkamuraの長期休館は、上記の記憶とも重なり 淋しいかぎりですが、休館前に ここでのシエスタさんの演奏をもう一度 聴きに行くつもりです。
あのテラスも シエスタさんの演奏も 大好きなので、単純に楽しみである一方、上記に書いた当時のように 1階から地下のテラスを覗いて聴いたら、自分自身どんなことを感じるのかなぁとも思っています。
色々な意味で楽しみです。
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