先日、毎夏恒例のアコーディオンイベントである「JAPCアコーディオン夏祭り」へ行って来ました。
アコーディオンの集まりについては、以前、主に個人の方が主催する『毎月または数か月ごとに定期開催されている小規模な会』について書きましたが・・・
今回は、上記の記事では取り上げなかったもう一方、主に各協会や団体が主催する『年1回開催される大きなイベント』のうちの1つについて、書いてみます。
アコーディオンイベントは どれも 主催者や関係者の方々の想いが込められていて好きですが、個人的には、このJAPCアコーディオン夏祭りは 特に好きなイベントの1つで、私は 10年くらい前から 毎年 演奏で参加していました。
今年(2023年)は 初めて、なぜだか!? 演奏参加では申し込まなかったので、開演から終演まで 終始 客席から観ることで、今までとはまた異なる視点でも 充実した楽しい時間を過ごしました。
『JAPCアコーディオン夏祭り』とは…
「JAPCアコーディオン夏祭り」は、JAPC日本アコーディオン振興協議会 主催のイベントで、コロナ禍を除いて毎夏開催されています。今回は第11回目だったそう。
イベントの内容は、演奏で参加申込した人が、ステージ上で順番に演奏していく(ほぼソロ演奏。ときどき重奏やアンサンブルの方も!)というもの。だれでも参加できる “アコーディオン合同発表会” のような雰囲気です。
幅広い演奏参加者
演奏参加の申込にも 全く制限等はなく、また、コンクール等とは異なり 審査・講評されるわけでもないこともあり、気軽に申込しやすいので、演奏者の幅がとても広く、私はそれが大好きな理由の1つです。
このイベントの演奏参加者として、毎夏 このような方々が一堂に会します!
- 九州から北海道在住の方まで、遠方から楽器を持参して
- (アコーディオン教室の垣根を越えて)全国10~20教室の各生徒、または教室に所属していない独学やフリーの方など
- 小学生~80歳代の方
- (プロアマ問わないので)アコーディオンを始めたばかりの方から、演奏活動で活躍している方や世界コンクール優勝者の方
などなど。
休憩時間には、会場のあちらこちらから、いろいろなアコーディオン話が聞こえてきます。
…たとえば、、今回私が特に面白かった話題は、遠方からいらした方の飛行機での楽器の運び方の話題や、教室発表会や演奏予定の情報交換など!幅広い層の参加者が集まるイベントならではです。
いろいろな楽器
演奏参加者は 各々 自身の楽器を持参するので、その楽器を眺めるだけでもワクワクしてきます。
このような多種多様な楽器を、この日は一気に見られるのです!
- 各メーカー(楽器店の枠も越えたイベントなので、各楽器店よりも多種多様な楽器が集まっているかもしれません!)
- 鍵盤式アコーディオン / ボタンアコーディオン
- スタンダードベース / フリーベース /コンバーター
- チャンバー有無
- 笛(音色スイッチ)の数が異なる楽器
- 左ボタン数 や 鍵盤数 が異なる楽器
- いろいろな 色 や グリルの模様 の楽器
などなど
客席からは 各演奏者がステージに出るたびに それぞれの楽器が見られて面白いですが、演奏参加の場合は 控室に全演奏者のいろいろな楽器が全て並んでいるのも一度に見られて、その光景もまた圧巻です!
ほかにも いろいろ
演奏曲も自由なので、例年、アコーディオンスタンダード曲からクラシック、昭和歌謡やシャンソンやミュゼット等々、ときには自作の曲や弾き歌いまで。
休憩時間には ロビーで、アコーディオン楽譜を多く取り扱っている楽譜屋さん(アンサンブル・ミュージック)の出張販売もあり、実物を見られるのでとても参考になります。
また、このイベントは、日本唯一のアコーディオン製造メーカーでもあるトンボ楽器製作所が大きく寄与しているものの、特に今年は司会の方が、アコーディオン専門店で老舗の谷口楽器や、イケベ楽器の方でした!
休憩中にお喋りした方が ふと「アコーディオンって、楽器店とかの垣根もないんだね」と仰っていて、改めてそうだなぁと実感し、そういうところも含めて ますますアコーディオンが好きになりました。
他楽器の経験がある方々から見ると、もしかすると このように各教室や各楽器店などの垣根もなく、ワイワイと楽しく騒いでいる様子は、少々珍しく見えるのかもしれません。
印象にのこったこと
ここからは、今回 特に私の印象にのこったことを書いてみます。
とある演奏参加者の方のエピソード
その演奏参加の方は ご高齢で、昨年には足が悪くなってしまい、歩行すらも杖をついてやっとできる状態で、アコーディオン(以下、アコ)は 1年以上 持つこともできていませんでした。
実際に私が 今年のゴールデンウイークに アコーディオン好きの集まる会で お会いしたときも、その方は 杖をついてゆっくり歩いてらして、“とてもじゃないけどアコは持てないから”と、同じリード楽器でもある“ハーモニカ”を小さな肩掛けバックに入れて持参され、そのときはハーモニカ演奏を披露されていました。
長期にわたり いろいろな治療を試され、どれもなかなか効かなかったらしいのですが、GWを過ぎた頃から 僅かに回復の兆しがみえてきたそうで…、
そこでその方は、思い切って、「これまで1年以上も歩くのもやっとの状態だったのだから、このまま回復するかは分からないし、ずっとアコを持つことすら出来なかったから、もし回復しても弾けるかは分からないけれど…、、『7月のJAPCアコーディオン夏祭りのときに、自分のアコを持って行って、弾けたら良いなぁ!』」と思い、申込時点では 未だアコを完全に持てる状況でもなかったけれど、とりあえず今回のJAPC夏祭りへ “演奏参加”として申し込んでみたそうです。
そして、先日のJAPCアコーディオン夏祭り 当日!
その方は、ご自身のアコーディオンを担いでステージに上がり、演奏されていました。いつも周りを笑顔に和やかにしてくださる方なので、今回のステージ上でも 演奏途中で「ここから先は難しいから1ページ目に戻ります!」などの台詞(!?)も交えながらの演奏です(笑)
演奏の合間には、各演奏者が事前に提出したコメントを 司会者が読み上げるのですが、この方のコメントには「またアコーディオンが演奏できるようになって嬉しい」という旨のお言葉もありました。
アコーディオンに限らず…かもしれませんが、こうしてまた弾きたいという気持ちが持てることや、このように、励みになったりパワーの源になるアコーディオン、また、こうした目標にできるイベントは、本当に素晴らしいなぁと改めて感じました。
再会の場
このようなリアルイベントは、再会の場にもなります。今回も私自身このような再会がありました。
- オンライン演奏交流会で、数か月ごとに インターネット上の画面越しに顔を合わせていた方々との久々のリアル対面
- 遠方にお住まいの方との、昨年のJAPC夏祭り以来の再会
- 同イベントで自分が演奏参加したときに同じく演奏参加した方との再会
- 他のアコーディオンイベントでお会いした方との再会
- 他教室の方々との再会
などなど。
このような場にはアコ好きな人たちが多く集まるので、休憩時間などもいろいろなところでそれぞれのアコ話に花が咲きます。
こうしたイベントでは、さまざまな演奏に触れられるだけでなく、このようないろいろな出会いや楽しみがあります。
そのひとつひとつが どれも温かく、それも「アコーディオン」という楽器の持つ魅力のひとつなのかなと感じました。
ひとこと
イベントについては、以上です。
ここからは個人的なことを少し書きます。
先にも書いたとおり、個人的には 今回初めて、JAPCアコーディオン夏祭りに “演奏”での参加ではなく、終始 “聴くだけ”というかたちで会場へ行きました。
私はかなりの緊張しいなので(あまりそう見えないようですが…)、自分が演奏するときは、演奏順が自分より前の方の演奏は ほぼ聞くことができません。ですから、今回初めて このイベントの開演から終演までの全てを客席から拝見・拝聴したのですが、
客席から観ていて、改めて アコーディオンの魅力を、そして、イベントの楽しさを感じることができました。
来年は…、また演奏参加で申込をしようかなとも思いました。
目的に向かって練習に励むことは 上達の近道だと思いますし、このような経験を重ねていくことが大事だなぁと感じたので。アコ好きの人が集まる大きな舞台で演奏するのは、この上なく緊張してしまうものの、だれでも演奏参加の申込ができるこのような機会は なかなか貴重で、これを活かさないのはもったいなく、自身のためにも演奏参加しなくてはならないなぁとも感じました。
このようなイベントを毎年開催してくださる主催の方々や関係者の方々への深い感謝とともに、
これからもずっと、このような雰囲気でこのイベントが継続されていくことを願っています。
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