例年 6~7月頃は、アコーディオンの教室発表会や演奏会、イベントなどが比較的多い印象です。
アコーディオンを始めた頃から こうした演奏を聴きに行くことも大好きで、都合が合えば足を運び、毎回 興味深く楽しい時間を過ごしています。ただ 同時に、いつも考えさせられる部分もあります。
今回は このことを、つらつらと書いてみようかなと思います。
アコーディオンの演奏に触れられる場面
アコーディオン(以下、アコ)は なかなか見掛けることが少ない楽器かもしれませんが、演奏を聴ける機会は 幅広くあります。
各アコ教室の発表会や アコ団体の演奏会、アココンクール、アコイベント、アコ好きが集まる会、
それ以外にも、アコ関連イベントとは関係なく、コンサートやライブ、飲食店演奏、地域や施設等でのイベントなどなど…、
街のイベント等で気軽に覗けるものから、ホール開催等の少し構えて聴きにいく楽しさもあるものまで 本当にさまざまで、こうしてみると改めて、アコーディオンは 活用の幅も広く、どのようなシチュエーションにも、あらゆる年齢層にも合う、素敵な楽器だなぁと感じます。
教室発表会やイベントなどで感じること
こうしたアコ演奏を聴ける いろいろな機会のなかから 今回は、各アコーディオン教室等の発表会・演奏会、アコイベントでの演奏を聞いたときのことに少し絞って書きたいと思います。
先ずは 大前提として、どちらの演奏会も 単純に楽しい!です。
アコーディオンだけが一度に集まる機会は そう多くはないこともあり、アコがたくさん並んでいるだけで なんだかワクワクしますし、アコは どのようなジャンルにも合うので さまざまな曲が聴けて、同じ曲でも 編曲が異なることで、また、編曲まで同じでも奏者によって、印象がまるで違ったりもします。
プロアマ関係なく、アコ歴や年齢・音楽経験なども関係なく、アコーディオンは弾く人と相俟って、さらに素敵な音色や演奏になり、魅力的な楽器だなぁと いつも感じます。
こうした場では特に、奏者や各教室によって、各々の特徴 …弾き方や、注目・大事していることなど… も 表れていることもあり、そうした観点でも 大変興味深く楽しむことができます。
そして アコ教室の講師・指導者の方々は、演奏もお人柄も本当に素敵な方ばかりで。。
とくに各講師の方々の演奏会やライブへ行くと、音楽の才能や感性に溢れていて、とにかく凄いです。各々の素晴らしい表現力や感性を遺憾なく発揮され、その方の演奏や編曲自体が素晴らしいのはもちろん、ときには 他の方の演奏に伴奏やアドリブを加えたり、より魅力的なアレンジや転調などもされていて…
“だからこの講師の方のレッスンを受けたくなって生徒の方々も集まってくるのだよなぁ…”と感じます。
と同時に こうした講師の方々を目の当たりにすると、いつも頭をよぎるのが、“翻って私は…?” ということ。
つまり、本格的な音楽教育を受けていたわけでも 音大出身でもなく、音楽の素養もなまま、20代後半の頃に趣味としてアコーディオンを0から始めた私が、今や演奏の機会をいただいたり クラスを担当させていただいていて 大丈夫なのだろうか、私と アコを通して関わってくださる方々に 良い時間を過ごしていただけているのだろうか、云々 と。。
でも実際に今、私はこうしてアコで活動させていただけているので、こうした私の経歴だからこそ できることもあるのかなと、それらを 私のレッスンや演奏の特徴にも繋げていけたら良いのかなとも感じています。
私の弾き方など
そういうわけで、こうして演奏を聴いた後に考えていることを、先ずは 私自身の弾き方を 振り返ってみます。私にとっては これらが、自分の演奏やレッスンの 他の方との良い意味での違いや、特徴に繋げていくヒントにもなっていくのではないかなとも思うので。
① 感覚(だけ)で弾いているわけではない
私自身、20代後半の頃に音楽の素養もないまま 趣味としてアコーディオンを0から始めたこともあり、、弾くときに 感覚や雰囲気だけで弾くことができません。。(私自身の場合は、特に始めの方は ある程度 頭で考えたり整理しながら弾いた方が やりやすいことが多かったということです。)
これを裏返すと、次のようになります。
- 自分がどのように弾いているか、弾き方を感覚でなく説明できる
…頭で考えたり整理している部分も少なくないので、感覚的でない視点から説明できる - 再現性・汎用性のある練習方法や弾き方をしている
…練習すればだれでもできるカタチや、それらの組み合わせで弾いている - 音楽理論等が分からなくても弾ける方法で弾いている
…楽器・音楽経験や年齢に関係なく、練習すればだれでもできる方法で弾いている
このあたりのこと(次の項目も含めて)は、私のクラスの特徴としても活かせるような気がしており、レッスンで意識していることのひとつでもあります。
② だれでもできる、アコならではの音探り
素敵な演奏をしたいなぁ!と思ったとき、いろいろな視点や角度から考えることができそうです。
ひとつは、音楽的な 感覚的なもの。
ただこれは 個々人の感性に依るところが大きく、ひとりひとり異なるものかなと思います。
全くうまく言えないのですが、、それらがその人ならではの魅力にも繋がり大事なところではあるものの、
主観的・感覚的な要素が強いので、教えたり教わったりするのも、両者ともに相当な素養や技量の要ることのような気もします。
別角度からの視点では 次のようなことをあげられるかなと思っています。これは 感覚的なものに依らず、音楽の素養や経験に関係なく、だれでもできます(もちろん、他の楽器と同じく、練習は必要です!)。
- この楽器(アコーディオン)ならではの 綺麗な音=“リードの響き”を 綺麗にを出すこと(※アコーディオンはリード楽器)
…カタチで進めることができるので、音楽の素養や楽器経験等も関係なく、だれでも練習を重ねればできます。 - 体系化された奏法をひとつずつ学んでいくことで、表現の引き出しを増やすこと
…“こういうふうに弾きたいなぁ”と思ったときに、それらを取り出して組み合わせて使えるようにしておくこと。 - 演奏をするとき、人に楽しんでもらえる視点 も考えて出していくこと
…歳を重ねてから全く0で始めたからこそ、だれにでも伝わる言葉や視点で伝えることが よりできるのではないかなと感じています。
上記のうち、「奏法」「リードの響き」というのは、私自身が学んできた ヒラヤマ奏法の影響が大きいです。
年齢や音楽楽器経験に関係なく進めていけるこの奏法は、ヒラヤマ奏法のできた背景と繋がることもあり、今までのアコとは全く関係のない自分の経験などからもすんなり習得しやすく、私の場合は自分に合っていました。(ですので、私の演奏やレッスンは、ヒラヤマ奏法がベースになっています。)
なお、あくまで私の解釈ですが、ヒラヤマ奏法自体が 次のような観点 からできた奏法と解釈しています。
『アコーディオンは楽器の構造や性質からも、本来 どのような人でも身近に楽しめる楽器だから、音楽の素養や感性、楽器経験や音楽知識の有無、年齢 等々に関係なく、アコを弾いてみたいなと思った人が、どなたでも弾けるようになる方法や、また、アコーディオンならではの良い音を出すことのできる方法があったら良いよね!』
⇩
『そのための1つとして、だれでも通用し、アコーディオンを弾けるようになる「かたち(型)」と、積み重ねていけけば だれでもできる「奏法」が必要だよね!!』
⇩ ⇩
こうして、アコーディオンの独奏は「リズムが生命」という観点も併せて、
いくつかの「型」を体系化して纏め、また、「リズム」を大事にしたものが、「ヒラヤマ奏法」
…と 私は解釈してます。
③ 習いごと・趣味としての楽しみ
私自身、アコーディオンは、社会人になってから 趣味のひとつとして始めた習いごとでした。
現在は趣味とは少し異なるかたちでもアコに接していますが、当初は特に 次のように感じて楽しんでいたことを思い出します。
- 仕事や 普段の生活とは まったく別軸での、楽しみや やりがい
…週(または1日)のうちの僅かな時間でも 弾くことに没頭することでリフレッシュでき、生活にもハリがでます。 - 自分のペースで進めていく楽しみ
… 一人で完結する面も持つ楽器(一人でメロディと伴奏ができる)ということもあり、ムリなく、楽しく、自分なりのやりがいを持って続けられます。 - いろいろな人との出会い
… アコを始めたことで、出会える方々の幅もグンと広がりました。 - これまでの自身の経験などを活かせる
最後にあげたことは…、
思わぬかたちで、アコや音楽と全く関係のない今までの自身の経験や考え方なども、アコ(練習など)に繋がったり転用できることがあるということです。本質には共通点が多いのかなと実感します。
こうしたことは、歳を重ねてから始めたことで より味わえる面白さの1つのようにも感じています。
演奏やレッスンの特徴に繋げると…
ここまで書いたようなことが、私の演奏やレッスンの特徴にも繋がっていくのかなと思います。
レッスンの特徴
私自身が教わってきたことや、弾いている方法をお伝えしているので、感覚でお伝えすることは あまりなく、リズムを大事にし、型(カタチ)で進めていくことが多いです。練習すればだれでもできる、再現性や汎用性のある方法で伝えられているのではないかなと思います。
また、自分の経験等からも、ときには 仕事や生活の都合など練習できないときもあって当然だと思っていて、、そのときには そのときにできるレッスン内容にし、どんなときも、レッスンで「今日はこれをやった!」「次はこれ(この課題)に取り組もう」と ムリなく感じていただけるような、楽しみや やりがいに繋がるレッスンも心掛けています。
演奏の特徴
私の演奏は音楽性が十分でないことは分かっていて、、当然ですが、子どもの頃から音楽の基礎を培って 自然に身についてる方や、素養や才能を持ち合わせたうえで さらに練習や鍛錬を重ねてきた方々と比べものになりません。。
ただ、実際、ありがたくも私はときどき演奏の機会をいただけているので、自分の弾き方などを顧みると、軸にしていく(深堀りしていく)と良いのかなと思うコトが いくつかあり、
そのうちのひとつが、「型(カタチ)」に着目することです。
カタチは客観的な要素が強く、再現性があるので、練習すれば だれでもできることで、だからこそ これをひとつひとつ丁寧に積み重ねていけば、だれにでも分かりやすい 聴きやすさや綺麗さにも繋がっていくような気もしています。
また、音楽に限らず、カタチを持つということは、軸を持つことや 基礎の捉え方などにも繋がり、どんな分野でも いろいろと共通する部分もあるように感じています。
このことについては、以前の記事でもう少し詳しく書いています(ので、今回の記事では割愛します)。
ひとこと
編曲や転調が すらっとできたり、他の人の演奏に伴奏やアドリブを加えたり、個々の素晴らしい音楽性や表現力を遺憾なく発揮して、アコーディオンで より素敵な演奏をしている人たちを目の当たりにすると、それらが全く出来ない私は “ああいうふうに弾けたら、どんなに楽しいだろうなぁ!”とも思います。
また、もう一方では、アコーディオンは、プロアマ関係なく、アコ歴や年齢・音楽経験なども関係なく、弾く人と相俟って さらに素敵な音色や演奏になる素敵な楽器であるということも、いろいろな方の演奏を聴くなかで 頻繁に想います。
私の場合は、前者を目指そうとすると なかなか難しく、自分の演奏やレッスンに不安もよぎりますが、
後者を想うと、アコは どんな人にも開かれた楽器で、アコはそれで活動として成立する楽器という側面もあり、 この楽器の可能性や魅力をより強く感じます。
こうして演奏する機会やレッスンを担当させていただけたりしていることを 有難く感じています。
今後も 私だからできることは何か という視点も踏まえつつ、アコで関わる方々に より楽しく充実した時間を過ごしていただけるように努めていきたいと、私自身も一歩一歩進んでいきたいと思っています。
おまけ?)雑談
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以前に どこかで読んだ この つぶやきを、ときどき思い出すことがあります。
そのときに応じて、より実感の湧く年齢に置き換えていくと良いのかなと思っていて、
…90歳になったとき、70歳から始めたことは20年間、60歳からなら30年間することができる。
…80歳になったときに、70歳から始めたことは10年間、60歳からなら20年間、50歳からなら30年間することができる。などなど、、
・・・私は もうちょっと若いですが(!)、こうして考えると、アコに限らずとも 何かを 自分のペースでコツコツと積み重ねていったら、数年後、数十年後にどうなっているのかなと、なんだか楽しみになってくるような気がします。
これから何かを始めたくなったときなどにも思い出せたら良いかな、とも思っています。
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