私は 日本アコーディオン指導者協会の専任講師として、横浜市内のカルチャーセンター等でアコーディオンレッスンを担当させていただいていますので、この協会について触れようと思います。
※”日本アコーディオン協会(JAA)” や “日本アコーディオン振興協議会(JAPC)”と
名称が似ていますが、それぞれ異なる団体です。
※これは私がアコーディオンを師事している平山先生との今までの会話の記憶を辿りながら、また ときには 補足等の私の解釈も含めて書いているものなので、もしかすると協会本来の意図とは少し異なる箇所もあるかもしれません。ご了承ください。
日本アコーディオン指導者協会とは…
日本アコーディオン指導者協会は、私がアコーディオンを師事している平山尚先生の設立した協会で、概要は以下のとおりです。
日本アコーディオン指導者協会は、昭和34年(1959年)にアコーディオン指導者によって、アコーディオン教育の研究と、指導者の育成を目的に設立されました。
川崎市中原区民交流センターなかはらっぱ より抜粋(現在は 日本アコーディオン指導者協会HPに掲載)
現在カルチャーセンター等をはじめ 首都圏27箇所のアコーディオン教室を開設、日本アコーディオン指導者協会の専任講師が一人ひとりの将来性を大切に、地域社会で活動ができるよう、徹底した個人指導を行っています。
今後とも社会ニーズに対応したアコーディオンの可能性を追求し、アコーディオンを通して、地域文化の向上と明るい社会の構築を目指します。
大前提として、「アコーディオンは素晴らしい楽器だよね!」(“素晴らしさ”を書き始めると長くなってしまうので、ココでは割愛します…!)、だから、「だれでも気軽に、純粋に”アコーディオン”を楽しめる機会が増えたら(普及したら)良いよね!」という想いから→→
「アコーディオンの普及」を考えたとき、さまざまな角度や視点から考えることができます。そうした数々の普及方法の中から「アコーディオン教育や指導」に着目したのが日本アコーディオン指導者協会(以下、指導者協会)です。
指導者協会のアコーディオン指導の理念
- 型(かたち)に始まり、型に終わる
… 6つの基本形 と 8つの奏法、そして 6つのリズム《ヒラヤマ奏法》 - アコーディオンの独奏は、リズムが生命
詳細は、次の項目にも繋がるので そちらで書きます。
指導者協会の設立目的
アコーディオン教育の研究と、指導者の育成
アコーディオンは独学で楽しむ方も多く、特に音楽の素養や他の楽器経験のある方にとっては 独学で弾くことも十分可能で、実際にそうした感性をアコーディオンで遺憾なく発揮し 活躍されているプレーヤーの方も少なくありません。それもアコの大きな魅力の1つです。
ただ一方で、アコーディオンは楽器の構造や性質からも、本来 どのような人でも身近に楽しめる楽器ですから、音楽知識や楽器経験の有無、年齢などに関係なく、アコを弾いてみたいなと思った人が、どなたでも弾けるようになる方法や、また、アコーディオンならではの良い音を出すことのできる方法を考えていくことも必要です。
…こうして設立目的に繋がりました。
アコーディオン教育の研究
そのための1つとして、音楽の素養や感性、楽器経験等々に関係なく、どなたに対しても通用し、アコーディオン(以下、アコ)を弾けるようになる「かたち(型)」と、積み重ねていけけば どなたでもできる「奏法」が必要になってきます。
だれでもアコという楽器の良い音を出せるように…。そこで最初にできたヒラヤマ奏法は、
リードの響きを綺麗に出す「ジャバラ停止奏法」だったそうです。(※アコーディオンはリード楽器)
また、もう1つの着眼点が、アコーディオンの独奏は「リズムが生命」という点です。
…リズムがしっかり出せれば旋律(メロディ)がいきてきますし、アコのメロディを出すにはリズムを正しく打てなければなりません。アコの左ボタンはその構造から、他楽器に比べて伴奏が弾きやすく、リズムを出しやすい仕組みになっています!
そして、その「リズム」というのはどこでも共通しているので、それらをきっちり弾くことで感動させることもできます。
こうして、いくつかの「型」を体系化して纏め、また、「リズム」を大事にしたものが、「ヒラヤマ奏法」です。
指導者協会の講師の指導方法・奏法は「ヒラヤマ奏法」です。
指導者の育成
“普及”には、人から人へ繋げていくこと、継続していくことが必要です。
すると、普及の面からみたアコーディオン教育も、特別に”指導のための訓練(レッスン)”ということよりも、最初からレッスンの段階で、その生徒が自分の習ったことを別の第三者に伝えられる(指導できる)ようなレッスンができたら良いですよね。
そこで、奏法をもって型(かたち)で伝えていくということは、とても有効です。
型(かたち)で伝えれば、その生徒は別の人に型で教えることができます。しかも、先に書いたとおり、型や奏法は、積み重ねていけば どなたでもできます。
型があるから、どんな人にも、また、次の世代へも継承していける、ということです。
というわけで、繰り返しになりますが、、
普及されるため、文化を広めるためには、1つの型(かたち)が必要になってきます。
型を提示して発展させていくということです。
演奏活動
アコーディオンを弾くことを、趣味として楽しむのももちろん良いですが、せっかくアコを習ったのなら、ふだんの日常生活でも活用していければ きっとさらに楽しいですよね!アコはプロ奏者でなくても、家族や仲間、また地域活動やボランティアなど、あらゆる場面で十分に活躍できます。
アコの親しみやすさやどこか懐かしい音色、どこでも持ち運びができて、メロディと伴奏を同時に弾けるなどなど、あげればキリがないほど アコには たくさんの利点があるからです。
易しい曲は3コード覚えるだけで両手(メロディと伴奏)で弾けますし、リズムをきっちり弾くことで安定した演奏もでき、感動させることもできます!
いろいろな奏法
指導者協会の奏法は”ヒラヤマ奏法”で統一していますが、アコの奏法自体は、さまざまな視点から体系化されていろいろな奏法が明示されてくるともっと良いです!それは、アコーディオンの更なる発展や普及に繋がっていきますし、また、アコを習ってみようかなと思った人も 教室を選ぶときの幅がより広がるからです。
平山先生は、「私(平山先生)は、(上記のような理由から) 今はヒラヤマ奏法が良いと思ってこの奏法でレッスンしているけれど、ヒラヤマ奏法が正しくてそれ以外の弾き方がダメと言っているわけではないですよ! “正しい”奏法というのはないのだから!」と、また「いろいろな奏法が提示されきたら良いよねぇ!でも他楽器のような奏法が確立されてない未完成なところもまた、アコの面白さや魅力なのかもね」とニコニコしながらよく仰っています。(「いろんな奏法があったら良いから、いつか石井さんも奏法をつくったら良いよ!」と(冗談を交えながら(!?))言われたりもしたことがあります(私にはムリです!笑)
また、優れた感性や才能をもつプレーヤーの方々がいろいろなところで演奏をされることは、アコーディオンの素晴らしさを多くの人に広めるためにもちろん良いですが、
“楽器を広める”という視点では、そのような方々 “だけ” が演奏するだけでなく、それこそ 音楽の素養や楽器経験の有無、年齢等に拘らず、どのような人でもそれぞれの能力に合わせてそれぞれのペースで弾けるようになって楽しめる方法が、そうした指導法が必要です。
ですから、感性や勘や器用さだけでなく、教えたり伝えていくには型(かたち)が必要です。簡単な曲ほど、演奏の型が必要だったり有効になってくる場合もあります。
このような想いもあり、”型(かたち)”で体系化されているのが指導者協会のレッスン方法(ヒラヤマ奏法)だと思います。
おわりに…
以上が、日本アコーディオン指導者協会について、私の一旦の纏めです。
「型(かたち)」というと、機械的だったり画一的に見えてしまうこともありますが、上記のような背景をみると、人間的であたたかくも感じます^^
少し話が逸れますが、私自身、アコに限らず「型」というのは興味深く感じていて、、“一見 個性や特徴がないようにも見えるけれどそうとも限らず…” “型があるからこそ…” “帰る場所…” などなど、、 このつづきは…今は うまく言語化できておらず、話も逸れてしまうので、いつか書けたら書きます。
※ 冒頭にも書いたとおり、以上は 私の師事している平山先生のレッスンや、レッスン前後での先生との会話を思い出し、それらを繋ぎ合わせながら書いたものです。もしかすると 協会本来の意図と異なる箇所もあるかもしれませんが、大目にみていただければ幸いです。
コメント